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2007 
February 05

前書き

 最終回ですよ!遂にここまで来ました!有難う御座いますと先に言ってしまいます!

 さて、前回の展開は覚えていますか?あの後は、修羅が気を失って、御伽君が城まで連れて行ったのです。そして其の日は疲れたので休むことになり、今回は其の次の日からの話になります。

 後日談・・・で、いいのでしょうか?まあ、そんなもんだろうと割り切ってください。

 そして、シリアスな展開からハッピーエンドに持っていくのもアレなんですよね~。という事で、お別れシーン!?と思いきやっ?って感じにしたいんですよ。

 ちょっとネタばれがありましたが、忘れなさい♪

 では、お楽しみを――。

 

「ん、んん・・・」

 朦朧とした意識がだんだんとはっきりしていく。

「起きたかのか?まだ寝てていいぞ。それか、そのままはなそうか?」

 周りには、護衛の三人と観察者の三人がいた。

「いや、大丈夫だ。客人の前だ。見苦しい姿は見せられない。着替えてくる。・・・うっ!?」

 起きようとしたが、体中に痛みが走り、起きるどころか力を入れる事も敵わない。

「ああ、修羅姫。そのままで結構ですよ。私たちは特に気にしませんから」

 そうは言われたが、修羅は布団の中に真っ赤になった顔を沈めた。どうやら気にしているのは彼女の方らしい。

「仕方ないな」

といって、琥露奈は修羅の体を起こした。彼の力が強いのか、彼女の体が軽いのか其れは容易な事だった。

「すまない・・・」

「顔も見せないで話は無いからな」

 なんかいい雰囲気になってきたので、いけっ、石蕗!

「ゴホン。そろそろ話をしたいのだが・・・」

一同は、ああそうだったね、という顔をしている。如何でも良かったのか?

「さて本題に入りますか。修羅姫。貴女は実質この世の全てを統一したと言えるでしょう。その経路はともかくこの世、いや、世界と言ってもいいかもしれません。私も加わりましたが、それは、リルが私達の不始末による者だからです。なんて言っていいのでしょうか・・・。つまり、この世界はもうすぐ消えるでしょう。いや、元々子の世界は造られたものなのです。私達はそこにたまたま入っただけの来訪者・・・」

 この話を理解している者は、恐らくいないだろう。

「もう、来ますね。彼が・・・」

 訳も分からないままの一同。

 そして、普通の者は近づけない筈の姫の寝室の扉にノックが鳴った。

「来ました」

「誰だ!出て来い!」

 扉は開く。ゆっくりと。音も無く。

 現れたのは、五月蝿くないくらいの衣装な小奇麗な男。

「誰だは、ひどいなぁ」

 焔と朧火、葵は身構える。

「まあまあ、そう警戒しないで、ねえ、阿修羅」

 名前を呼ばれて驚いたのは、修羅だけではなかった。観察者はまるで知っていたかのように静かに座っている。

「先に名前を聞かせてもらおう」

 修羅の声には震えが混じっている。

「ああ、そうでしたね。ついね。こっちは知っているわけなんで」

 彼も皆には意味が分からないようなことを言う。

「私は、うーん、神様みたいな・・・神って呼んで」

 神(しん)は、悠然と修羅の前に行く。

「御免!」

 といって、焔が斬りかかったが、

「ああ、ちょっと消えててください」

 というや否や、彼の姿は分解してしまった。

「貴様!焔をどこへやった!」

 神は平気な顔をしている。

「私が作ったものを如何しようと勝手でしょう?ただ話をしたいだけですよ」

「如何いう事だ」

「今から話します」

 そして、警戒の目の中、神は修羅、そして琥露奈の前に座り、話し始めた。

「私がこの世界を創りました。この世界にいる全ての人、物は、所謂仮想現実です。阿修羅、貴女以外。貴女は大きな罪を犯した。私がいなかったら貴女は殺されていたことでしょう。其の位のことをしたのですよ。罪を逃れる民に羽田氏為に私が選んだのは、転生。つまり、生まれ変わる事です。そして、この世界に落とした。貴女は強く、優しく、そして民にも好かれている。観察者は予想外の事をしてくれたが、問題はなかったようだ。君たちはそろそろ出たほうがいいよ。崩壊が始まる。統一した時に罪は消え、世界も消える。そう創ったんだ。さあ、いこう。阿修羅」

 修羅は反応しない。俯いたままである。

「修羅?」

琥露奈が声をかける。

「では、琥露奈の気持ちも作り物なのか?私の気持ちは、彼への気持ちは本当ではないのか?」

 泣きながら、彼女は叫んだ。しかし、神は応えない。

「私は・・・。琥露奈が、焔が、朧火が、葵が・・・。他の皆だって好きだった。あった人全てが好きだった。其れが無くなってしまうのか?」

「・・・そうです」

 いつの間にか、観察者は居なくなっている。

「崩壊が始まったようです」

 感情の無い言葉に怒りが込み上げる。

「ふざけるなぁ!お前と行くくらいなら!私は。私はここで消える!琥露奈と共に消える!」

 痛みで動かす事がやっとという体を琥露奈に預ける。

「修羅・・・」

「仕方・・・ないのですか・・・。最後の機会を逃す事になりますが、それでも良いと?」

 修羅はしっかりと琥露奈にしがみついている。彼は、修羅を優しく見つめながらゆっくりと頷いた。

「分かりました。残念です。では・・・」

 神の姿が消える。

 崩壊は、中央まで来ていた。民は逃れる事も無く、何も無かったかのように消えていく。

「琥露奈・・・」

 修羅は痛みで再び意識を失った。

「修羅・・・俺は・・・どうすればいい?」

「ふっ、そんな事はがんが得る事も無かろう」

 唐突に声が響く。

「此処から逃げようぞ」

 声の主は朧火だった。

「朧火・・・お前は・・・」

「崩壊が迫っている。姫を連れて、その円の中へ」

 言われるままに動く。葵はいつもと違う様子に戸惑っている。

「手伝え!近くに居るのであろう。御伽」

 言われて、何処からとも無く三人の姿が現れる」

「分かってましたか?」

「無論だ。姫を助ける!心変わりがあるかもしれんぞ?」

「いや、無いでしょう」

 そして、二人の詠唱が始まった。

 道を創りし者 道を壊せし者 

天地の狭間を掻き分けて 創りし道はいずこへ続く

 永久への階段昇り逝き 開けし道をいざ行かん 

 天駆の鍵を捕まえて 開く扉の向こう側

 暗き道を照らし行く 我が名は月華 朧月

 満月の夜の魔性鏡 映せし姿は位と厭わしう

 微かな光の道筋を 堕ちれば奈落・・・

 其の先の向こうの向こう 

 行けば

 

 崩壊は間近に迫っている。

 はやく、早く。と、焦りが皆を掻き立てていた。

「「楽園(シャングリラ)!」」

 

 

「う、ううん?・・・うわあ!ななななな、何をしておる。はよ、退かぬか!」

 ん。ああ、琥露奈が気を失って修羅の上に、しかも、修羅は動けないから・・・。

「微笑ましい光景ですね。さて、力を使い果たしてしまいました。暫くは此処に居るでしょう。あなたは如何しますか?神」

 朧火はゆっくりと彼に顔を見せる。

「ばれていたか。まあ、良かろう。私はもう阿修羅の近くにいることはできない。おっと、琥露奈が目を覚ます。私達は退散するとしよう」

 

「は・や・く・どかぬか~!!」

 琥露奈の体が浮く。っていうか、かなりぶっ飛ばされた。

「ほぐぅう!?いってーな!何すんだ!」

 状況が分からない琥露奈に対し、修羅は赤面して息を荒げている。

「ん?どうしたんだ?」

「ええい!五月蝿い!近寄る出ない!」

「そう言われると、そうしたくなるんだよなー」

 

 その後の事は皆さんの想像にお任せします。どうぞ、とてもとても初初しく、楽しく、騒がしい展開を―。

 

 

後書 

 私としてはなかなかいい展開だと思うんですけど…。

皆さんには如何でしたか?いつもながら展開が速いというか、なんか無茶苦茶なんだよなぁ。って時々思う。しかも結局ハッピーエンドってるし・・・。

 個人的には修羅のキャラが好きなんですよ。なんか、いぢると面白そうでってそんな事は如何でもいい。皆さんは誰が好きかな?

 アンケートでもとりたい所だが、期待していないので却下。

 では、またの機会に、違う作品でお会いしましょう。

 

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